スーパー中小企業から倍率50倍のホワイト企業に転職成功し、南米支社に海外出向。ゆるゆるJTCリーマンやっているしずろく です。
突然ですが、なんだか
「最近仕事がはかどらない」
「前はスムースに進められた業務が、なんだか時間かかるようになってきた」
そんなことないですか?
私はあります。はい。全力であります。
海外赴任になり一層、日本と働き方も変わり、現地スタッフの教育を行うことも増えて、働く上での
「もやもや」
が最近出てきました。
そんな時はそう、心の栄養、読書ですね!
そこで読んだのが『コンサル一年目が学ぶこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
マッキンゼーや、デロイトなど実際にコンサル業界に勤めた人が
考え方・働き方を「社会人1年目」向けに書いた本です。
本の中にややこしいフレームワークなど出てきません。
社会人10年目にも響く金言、明日から仕事で活かせる姿勢について書いています。
1年生向けに書かれてはいるが、あらゆるビジネスマンにオススメ。
当ブログは「世界での活躍、応援します」をコンセプトに、海外で働きたい方向けの記事、独自の企業分析情報を発信しています。私のプロフィールはこちら。
- マッキンゼーやトーマツのコンサルは新入社員からプロ経営者と対等に話す。そんな中で意識しているのが
- 結論から話せ。
- 駆け引きはするな。数字で語れ。
- やみくもに取り掛かるな。戦略を立てろ。
- PREP 法
- 「仮説ありき」
- 当たり前っぽいけどここが徹底されている。そしてコンサルのみならずメーカー職の俺にも金言がちりばめられた本。
- KINDLEで440円の値段は衝撃、と思う。
結論から話す技法
学校や組織で「物事は順番に話しましょう」「起承転結で話しましょう」と、学んだ人もいるかもしれません。
でもコンサルティングの世界では、
レポート、メール、メモ、上司への連絡も含めて、「まず結論から」
説明するように徹底されます。
これはコンサルだけでなく、もはや社会人の必須スキル。
それはなぜか??
結論から始めることで物事が単純明快になり、
相手に必要なことを短時間で伝えることができるからです。
結論から話すためのテクニックとして、「PREP法」あります。
PはPoint(結論)
RはReason(理由)
EはExample(具体的事例)
最後のPはPoint(結論)の繰り返しを表しています。
ところで、私は今の会社の入社当初、(業界はコンサルではないですが。。。)
上司から
「あれこれ、取り繕うな。見せびらかすな、5分考えて、頭をすっきりさせてから答えろ」
と言われたことを思い出しました。
それ以来、何かややこしい質問をもらったときは、「少し考えさせてください」と言って「頭を整理して結論から始める」を徹底するようにしました。
少し話がそれました。
コンサル業界においても「端的・簡潔・素直に話す」が徹底されています。
変な駆け引きをせず、言い訳をせず、言われたことにきちんと答える。
相手の質問に直接答えることで、自然とコミュニケーションが始まり、質問の出所が明確になるから。
こうすることで、相手は「なぜ?」「なぜ?」と聞きやすくなります。
質問には、単純な「はい」または「いいえ」で答えればいいんです。
単純だけど、普段自分ができているか耳が痛い。。
事実 = 数字 で語る
コンサル企業では入社1年目でも、30~40代の経験豊富なクライアントと話すことが多い。
でも、新入社員でどうしてそんなことができるのでしょうか?
その秘密は、彼らが「不変の事実」について経営者と語れているからです。
数字はこれらの事実の中で最も重要。
これも難しい数字ではなく、売上、出荷、コスト、利益率などの単純な数字です。
本書を書くにあたって筆者は、
「仕事では、どうすれば常に評価され、信頼されることができますか?」
「ビジネスで最も重要なことは何ですか?」
と多くのコンサルタントに質問したそう。
答えは満場一致で:「他の人の期待を超え続ける」。
なるほど。。
ビジネスというのは突き詰めると、まさに相手の期待を超え続けていくことに他ならないんですね。
顧客、消費者、上司の期待を超え続けていくこと。
それが、仕事の・そして人生の秘訣と言っても間違いないと思います。
メーカー企画職でも心当たりありまくり。
そして期待を超えるうえで大切なのが、
「相手が何を期待しているかを正確に把握すること」です。
そして相手の期待している中身がわかったら、
相手の期待以上の成果を出せるように全力投球するのです。
そこで重要になるのが数字。
大切なのは、次の4つのポイントを把握することである。
(1)その仕事の背景や目的
(2)具体的な仕事の成果イメージ
(3)クオリティ
(4)優先順位・緊急度
上司によっては、指示が曖昧なこともある。だがたとえば「A社の新サービスを、ざっくり調べておいて」といった指示があったときに、「はい、ざっくりやっておきます」と答えるのは最悪。
こうした場合は、「顧客層、特徴・差別化要因、価格体系、提供体制について、それぞれ資料1枚、表紙を入れて計5枚ぐらいでまとめればいいですか」と具体的に聞いてみること。
もし上司が「それぞれで3、4枚ぐらいじゃないか」と答えたら、「ざっくり調べておいて」と言いながら、じつは細部までしっかり調べてくることを期待していることがわかる。
アプローチ・考え方・段取りから考える
がむしゃらにがんばるのではなく、「やり方」から考える。ことが徹底されている。
学生の頃、身の回りにテスト勉強で時間はかけずに効率よく高得点を取る人がいませんでしたか?
彼らは、手あたり次第に勉強するのではなく
「傾向と対策」を把握し、徹底的に勉強の最短ルートを攻めていたはずです。
この本の著者はコンサル1年目に、ある大学のマーケティングプロジェクトを担当したそう。
そのプロジェクトでは、その大学に進学してもらえるように、
ターゲットとなる100校以上の高校を訪問することがすでに決まっていた。その訪問スケジュールの作成を任されたのだ。
著者はすぐに「わかりました!」と安請け合いをして、とにかくスケジュールを作りはじめた。
だがそうすると上司から「ダメですね。いきなり作業に入らないで、まず考え方を考えてください」と注意された。
つまり
「どのように考えたら答えが出るのか、その道筋をまず考え、
アプローチ方法を考案して、それから行動に移しなさい」ということ。
まずは大きな設計図を書いて、そのあとに細部へ落とし込む。これが仕事の進め方の鉄則。
なるほど。耳が痛いけどメーカーでもおなじ。
コンサルティング会社に入ると、
- ロジックツリー
- 構造化
- 問題解決手法
といった、一連のロジカルシンキングや問題解決の手順を学ぶ。
MECEとか有名ですよね。
なぜコンサルタントは、これらを学ぶのでしょうか。
それは下記の力が身につくから。
- 一生使える
- 繰り返し役に立ち、応用することができる
- 全体が俯瞰できるようになる
- ロジックツリーが描けるようになると、問題の全体像が見えてくるようになる。その結果、全体像からいって何が重要かといった判断が可能になる
- 捨てる能力が身に付く
- 重要度が判断できるようになると、いらない部分を捨てて、自信を持って重要な部分に集中できる
- 意志決定のスピードが上がる
- 重要度の判断ができ、捨てることができれば、結果的に意志決定のスピードが飛躍的に上がる
コンサルは最初から力があるのではなく、ひたすら訓練をしているだけ。(だからすごい)
「仮説」ありき
コンサルの思考法でも最も重要なのが「仮説思考」。
これは私、メーカーの企画職でも同じ。
1年目でも、「仮説はできたのか?仮説は証明されたのか?」とよく言われます。
一般的に「結論を出す」ために膨大な調査をこなして、さまざまな角度から検証します。
だがこのやり方だと、非常に時間がかかってしまう。
そこで、こうした状況を打開するのが
「まずは仮説ありき」という考え方。
最初に、いま予想できる範囲でストーリーラインを描く。これは間違っていてもいいです。
「もしかしたら、こうではないのか?」と大胆に仮説を立て、その仮説に沿ったストーリーを考えていく。
あらかじめ仮説を立てると、調べるポイントが絞り込めるし、効率的なリサーチができる。
そして設定した仮説に沿って、それを検証すべくリサーチを行う。
もし仮説が正しいならば、正確なデータを用いて、クライアントに示すグラフを作る。もし違っていたら、そのデータから読み取れる新しい仮説を立て直す。
このようにして、仮説→検証→フィードバックというサイクルを高速で回すことで、本質を効率よく見定められるようになる。
「守破離」
茶の湯や武道の世界では、伝統的な師弟関係を捉えた「守破離」という言葉がある。
「守」とは、師匠の一挙一動をまねることだ。息遣いから、何から何までまねてみる。
コンサルタントは、ときに40~50センチもあるような大量の資料を
「明日までに読んで要点をまとめる」ことが求められます。
そんなとき、資料を一から読んでいては間に合わない。そこで効率的な読書法が必要となる。ポイントは次の3つ。
- 読書の目的を絞る、明確にする
- ウェブ検索のように目次ベースで当該箇所を拾っていき、重要な部分だけを読む
- なるべく多くの文献を広く浅く当たる
ウェブ検索の場合、こういった拾い読み法は誰もが実践している。
しかし本になると、目的意識が不明確になり、拾い読みができなくなることが多い。
目的に沿って、大量の本をウェブサーチ的に読んでいくべきだ。そうすれば全体の見取り図ができて、重要な部分を見極められるようになる。
そして大事な部分は、専門書を使って知識をさらに増やしていく。そうすることで「広く浅く」だけではない、「広くかつ深い」知識を得ることができる。
仕事のプロとして生き抜くためには、他人との差別化が必要だ。だがノウハウ化されていたり、座学で学べたりするようなスキルを身に付けても、自身を差別化することはできない。
それ以外の言語化できない「暗黙知」の部分こそが、プロとして働くうえで重要になってくる。
これは仕事にも通じる。
1年目は「守」、つまり師匠の一挙一動を徹底的にまねる。
たとえば上司のしゃべり方、メールの書き方、使っているペンの種類、服装、言葉遣い、食事の食べ方、怒ったクライアントの対応にいたるまで、すべてをまねるのである。
そのように徹底してまねることで、言語化できない暗黙知の部分を体得する。若い頃は「どのような仕事をするのか」よりも、「誰と仕事をするか」の方が大事なのだ。
まとめ
コンサル職もメーカー企画職でも「仕事とは普遍的」と感じた一冊。
相手の期待を超え続ける
数字で語る
守破離
たくさんの金言でした。
どなたかの参考になればうれしいです。読書は心の栄養。
仕事で行き詰った時やはり身を助けるのは読書だと再認識した一冊でした。