- 海外駐在・海外赴任が決まり、証券口座をどうすればいいか不安な人
- NISA・iDeCoの非居住者扱いを正しく理解したい人
- 主要証券会社の対応を1記事で比較したい人
- 家族帯同・海外留学に伴う口座対応を知りたい人
南米駐在5年目のしずろくです。
海外駐在が決まると、本当にいろんな準備に追われますよね。引越し、健康診断、ビザ、子どもの学校、家具の処分・・・。
私も海外赴任のときは”頭が真っ白”な状態でした。
よめほんとドタバタ。
そんな中で、後回しにされがちなのが「証券口座」の問題。
「特に何もしなくてもいいだろう」と放置すると、後で口座凍結・NISA強制終了・想定外の課税といった大きな代償を払うことになります。


この記事では、私自身が赴任の3週間前に焦って調べまくった内容と、その後6年間で蓄積した駐在員仲間のリアルな体験をベースに、
「これさえ読めば海外長期滞在時の日本の証券口座のことは全部わかる」レベルでまとめました。


- 1年以上の海外赴任は「非居住者」扱い。放置厳禁、出国前手続き必須
- 会社命令の駐在ならNISAは最長5年継続可能(要:継続適用届出書)
- 2025年5月、SBI証券が非居住者対応を大幅拡充。最も駐在員フレンドリー
- 家族の口座を忘れない。配偶者・子どもの口座も同じ手続きが必要
駐在BASE専用シミュレーション
読み込み中…


まず結論:海外駐在で証券口座はどうなる?3つのケース別早見表





結論を先に。1年以上の海外滞在は原則「非居住者」になり、多くの場合、証券口座に何らかの制限がつきます。
ただし、ケース(駐在・帯同・留学)によって対応方法が違うので、まずは自分の状況を下記を見ながら確認してください。
\海外から日本の証券口座を見るためには必須/


【ケース1 海外駐在】1年以上の赴任は原則「非居住者」


会社命令で1年以上海外に駐在する場合、税法上の「非居住者」になります。
これにより、日本の証券口座の取引はほぼ全て制限されます。
ただし、駐在には1つ大きな特典があります。それは、NISAの「継続適用」制度が利用可能という点。



会社の辞令というのがポイントですね。
会社辞令での赴任は、税法上の「やむを得ない事由」に該当するためです。詳しくは後述しますが、駐在員はこの特典をフル活用すべきです。


【ケース2 駐在帯同】配偶者・子どもも同じく非居住者扱いに
夫(または妻)の駐在に伴って一緒に渡航する家族も、1年以上の予定であれば同じく「非居住者」になります。
つまり、配偶者・子どもの名義で持っているNISA口座や特定口座も、同様に手続きが必要。
「夫の口座だけ整理すればOK」と思いがちですが、これは大きな落とし穴。家族全員分の口座をリストアップしましょう。
我が家でも妻の口座を見落として大慌てした経験があります(後述)。
証券口座だけでなく、免許更新も忘れずに!


【ケース3 留学】1年以上の留学は非居住者扱い、ただしNISA継続は不可
個人都合の留学は、駐在と扱いが大きく違います。1年以上の留学は非居住者扱いになり、口座制限がかかる点は同じですが、「NISA継続適用」の特例は使えません。



留学は駐在と違うのね・・
NISA継続が認められるのは「会社命令の転勤」のみで、自己都合の留学は対象外。
これは日本証券業協会のQ&A(2024年版)でも明確に定義されています。
「2024 年以降の NISA に関する Q&A」:日本証券業協会
体験談:海外赴任が決まった時、私が真っ先に焦ったのが証券口座



2020年、南米赴任が決まったとき。会社の手続きが優先で、ふと気づいたら出国まで3週間。
引越し、子どもの学校、住居の引払い、各種解約。
そのリストの最後に、ふと頭に浮かんだのが「あれ、証券口座ってどうするんだ?」という疑問でした。
調べたら、「出国前日までに手続きしないと、最悪口座が凍結される」と。
慌てて証券会社のカスタマーサポートに電話したら、自動応答で30分待ち。やっと繋がったオペレーターから「常任代理人選定書類の郵送に2週間かかります」と言われ、頭が真っ白に。
結局、深夜まで書類を準備し、実家の弟に何度も連絡して常任代理人を引き受けてもらい、ギリギリ出国前日に手続き完了。あのときの焦りは、今でも夢に出てきます。
同じ思いをしてほしくないので、これから順を追って解説していきます。



「日本の携帯どうする?」についてもこの記事で書いてるからよかったら読んでね。


そもそも「居住者」「非居住者」とは?証券会社が線引きする本当の理由





まず最も大事な「居住者・非居住者」の話から。ここを間違えると、後の判断が全部ズレてしまいます。
税法上の「居住者・非居住者」定義(生活の本拠が1年以上海外にあるか)
所得税法第2条第1項第3号〜第5号では、以下のように定義されています。
- 居住者:国内に住所があるか、現在まで1年以上居所を持つ個人
- 非居住者:上記以外の個人(つまり海外に1年以上の生活拠点がある人)
つまり、海外赴任が1年以上であれば、原則として「非居住者」として扱われます。詳細は国税庁の公式ページに記載されています。
「住民票を抜いたかどうか」は判断基準ではない(よくある誤解)



住民票を抜かなければ”居住者”のままでいられるのでは?
これ、本当によく聞く誤解なんですが、「住民票の有無」と「居住者・非居住者」は別の概念です。
判定されるのは”生活の本拠”が日本にあるか海外にあるか。
住民票を残したまま海外赴任しても、生活実態が海外なら非居住者と判定されます。私の駐在仲間にも「住民票残したから大丈夫」と言って手続きを怠った人がいて、後で痛い目に遭いました。



「住民票を残しておけばバレない」は完全な勘違い。今は税務当局が国際的に情報共有する時代。いずれ確実にわかります。
なぜ証券会社は非居住者を排除するのか?(金融商品取引法と海外当局の関係)
「税務上の問題があるなら、証券会社が対応すればいいじゃないか」と思うかもしれません。
でも、証券会社にもれっきとした事情があります。
SBI証券の公式FAQには、こう書かれています。
非居住者となるお客さまがお取引を継続された場合には、当社が日本における金融商品取引業等に相当するライセンスを海外の金融規制当局・監督官庁等から得ていないことにより、お客さまの居住地国での規制等に抵触する可能性がございます。
出典:SBI証券「海外に行くことになりました。取引は継続できますか?」



証券会社もリスクを負いたくないのね・・
つまり、日本の証券会社が海外居住者にサービス提供すると、その国の金融法に違反する可能性があるのです。
だから「非居住者は取引制限」という対応になっているんですね。決して証券会社の意地悪ではありません。
マイナンバーと住所変更で証券会社にバレる仕組み


「黙っていればバレないのでは?」と考える方もいるかもしれません。
でも、現代では絶対にバレます。理由は3つ。
- マイナンバー紐付け:証券口座にはマイナンバーが紐付いており、海外転出届を出すと税務署経由で連動
- 住所変更通知:証券会社からの郵送物や定期的な住所確認で発覚
- CRS(共通報告基準):100カ国以上が金融口座情報を自動交換する国際枠組み



特に3番目のCRSは強烈。赴任先の国でも、あなたが日本に証券口座を持っていることが税務当局に把握されているんです。
うん、怖いね。でもしょうがない。
放置するとどうなる?海外駐在で証券口座をそのままにする3大リスク





「面倒だから放置でいいや」これが一番危ない選択です。私の周りで実際に起きたトラブル3つを紹介します。
リスク① NISA口座の強制終了(含み益が課税対象に)


NISA口座は本来、運用益が非課税の優遇制度。
でも、非居住者になる手続きを取らないと、NISA口座が強制終了され、課税口座に払い出されてしまいます。
これが致命的なのは、払い出し時の時価がそのまま「取得価額」になること。
仮に100万円で買って200万円に値上がりしていたら、200万円が新たな取得価額になります。その後200万円を超えた部分から課税されるので過去の含み益は課税回避できますが、NISA枠そのものは消滅します。
新NISAは年間最大360万円、累計1,800万円までの非課税枠が用意されています。これが消えるのは、長期で見れば数百万円の機会損失になります。



つまり、せっかく積み上げたNISAの非課税枠が水の泡になるんです。これが最も恐ろしいリスク。
リスク② 口座の強制凍結(取引・売却・出金が一切できなくなる)


非居住者であることが証券会社に発覚すると、口座が強制的に凍結されることがあります。
SBI証券の規約には、こうあります。
手続きが完了しないまま「非居住者」になられた場合には、当社の任意でお客さまの計算により証券口座の預り(保有証券や未決済建玉等を含む)の売却・決済を行う場合がございます。
出典:SBI証券 よくあるご質問
つまり、持ってる株を勝手に売却される可能性があるということ。
含み益が出ているタイミングで売られればまだしも、含み損のときに強制売却されたら、永遠に取り戻せない損失です。
リスク③ 配当金の源泉徴収率変更(税務トラブルの種に)


非居住者になると、配当金の源泉徴収率が変わります。居住者は20.315%、非居住者は15.315%(租税条約によって変動)。
「むしろ得じゃん」と思うかもしれませんが、居住者として申告したまま非居住者扱いの源泉徴収を受けると、後で税務署から指摘される可能性があります。確定申告のときに「えっ、なぜこの率?」となって慌てます。
CRS(共通報告基準)で、各国税務当局は情報共有している
2017年から、CRS(Common Reporting Standard:共通報告基準)という国際枠組みが本格運用されています。これは、各国の税務当局が金融口座情報を自動的に交換する仕組みで、日本を含む100カ国以上が参加しています。
つまり、海外赴任先の国の税務当局も、あなたの日本の証券口座の情報を把握できます。逆もまた然り。「黙っていればバレない時代」は完全に終わったのです。
駐在仲間が放置して直面した実例3つ



南米駐在員仲間で実際に起きた3つの実例。あなたの周りで同じことが起きないことを願いつつ。
- Aさん(メーカー駐在3年目):放置したNISA口座が突然閉鎖。含み益のタイミングで課税口座に強制移管。結果的に運用効率が大幅低下。「年間2万円の節税枠を失った」と嘆いていました
- Bさん(商社駐在2年目):何の連絡もなく、保有していた米国株が取引停止に。売りたくても売れず、為替変動で含み損が拡大。約30万円の損失を抱えたまま帰国を待つ。
- Cさん(金融駐在5年目):帰国時に証券会社から「税務手続き不備」を指摘され、追加書類提出のため帰国後も2ヶ月モヤモヤ。「金融機関勤めの自分が一番恥ずかしかった」と苦笑い・・
3人とも口を揃えて言うのは、「出国前にちゃんとやっておけばよかった」。後悔しないためにも、この記事を読み終わったら、すぐに行動してください。
主要証券会社7社の対応一覧【2026年最新版・公式情報ベース】





ここからが本題。主要証券会社7社の対応を、各社の公式情報(2026年1月時点)に基づいてまとめました。各社のリンクも貼っておくので、必ず最新情報を公式サイトで確認してください。
SBI証券:2025年5月から非居住者もNISA口座一部継続が可能に


ネット証券国内シェアNo.1のSBI証券は、2025年5月31日から非居住者向け対応を大幅に拡充しました。
これは駐在員にとって歴史的な大ニュースです。
- 海外への永住予定でなければ口座維持が可能
- 2025年5月以降:NISA口座の一部商品も継続保有可能
- 非居住者期間中は、新規取引は不可(売却と出金は可能)
- 常任代理人(2親等以内の親族または法律・税務の専門家)の選任が必要
引用元:
楽天証券:5年未満の出国なら口座維持可、米国渡航は183日ルールに注意
楽天証券は、出国期間で対応が3段階に分かれます。
- 1年未満の出国:手続き不要で取引継続可
- 1年以上5年未満:手続き次第で口座維持可(保有可能商品は日本株式・個人向け国債のみ)
- 5年以上または期間未定:口座維持不可



SBIとは違う運用なのね・・・
注意したいのが「米国渡航時の183日ルール」。
渡航先がアメリカの場合、特定の計算式(連続滞在日数または出国年滞在日数+前年の1/3+前々年の1/6)が183日以上であれば、1年未満でも手続きが必要です。
引用元:
野村證券:駐在員に強い理由(常任代理人サポートが手厚い)
大手対面証券の代表格、野村證券は駐在員サポートで定評があります。
- 「非課税口座継続適用届出書」提出で、最長5年NISA口座を非課税で保有可
- 特定口座は出国時に廃止 → 一般口座へ移管 → 帰国後に特定口座へ戻せる
- 常任代理人サービスのサポートが充実



大企業の駐在員は会社推奨の野村證券を使うケースが多い。商社・メーカー・金融いずれも野村経由が定番です。
引用元:


SMBC日興証券:対面サポートが強み、書類対応に時間がかかる
SMBC日興証券は対面型の総合証券で、担当者が手厚くサポートしてくれるのが特徴。
ただし、ネット証券に比べて書類手続きの郵送・押印が多く、出国直前は要注意です。私の同僚も「3週間前に動いたら間に合わなかった」と泣いていました。



店舗型・ネット型の証券会社で対応がすこち違いそうね。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券:銀行系の安心感、グループ口座連携
三菱UFJ銀行と一体化したグループサービスが特徴。三菱UFJ銀行のNISA口座も、「非課税口座継続適用届出書」提出で最長5年継続可能と公式FAQに明記されています。
マネックス証券:制限多めだが米国株の品揃えが魅力
マネックス証券はNISAの継続には対応していません。
長期出国の場合は口座解約か休眠口座のいずれか。休眠口座にしてもNISA資産は売却または課税口座への払い出しが必要です。米国株のラインナップは魅力的ですが、駐在には不向き。
松井証券・auカブコム証券:出国期間に応じて柔軟対応
松井証券・auカブコム証券は、出国期間が3年以内であれば一定条件下で口座維持が可能。
ただしauカブコム証券はNISAは原則解約となるので注意。
一目でわかる:証券会社7社対応比較表
スマホはスクロールできます
| 証券会社 | 口座維持 | NISA継続 | 駐在員向け度 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | ◎ | ◎(2025/5〜) | ★★★★★ |
| 楽天証券 | ○(5年未満) | ○(日本株のみ) | ★★★★ |
| 野村證券 | ◎ | ◎ | ★★★★★ |
| SMBC日興 | ○ | ○ | ★★★★ |
| 三菱UFJ MS | ○ | ○ | ★★★★ |
| マネックス | △(休眠) | × | ★★ |
| auカブコム | ○(3年以内) | × | ★★★ |
※2026年1月時点駐在Base調べ。詳細は本文・各社公式FAQをご確認ください
しずろくの選び方:駐在員仲間が一番選んでいるのは?



南米の駐在員仲間20人に「どこの証券会社使ってる?」と聞いてみた結果。
- SBI証券(45%):2025年のNISA拡充で一気に支持率アップ
- 野村證券(25%):会社推奨で使う人が多い
- 楽天証券(20%):日本株・楽天経済圏で利用
個人的にも、SBI証券+野村證券の二刀流をお勧めします。
SBI証券で運用、野村證券は対面サポートに、と使い分けるパターンが安心。私自身もこの組み合わせで6年間運用してきました。
新NISA・iDeCo・特定口座は海外赴任でどうなる?



2024年から始まった新NISA。これと海外赴任の関係は、駐在員にとって絶対知っておくべき重要トピックです。


新NISAは原則「非居住者は新規買付不可」、ただし保有継続には例外あり
新NISA(2024年〜)は、原則として「日本国内に居住する18歳以上」が対象。
非居住者になると、新規の買付・積立は一切できなくなります。
ただし、「非課税口座継続適用届出書」を出国前日までに提出すれば、既に保有している分は最長5年間NISA口座で非課税のまま保有できます。
引用元:
「やむを得ない事由」の解釈に注意(駐在はOK、自己都合の留学はNG)
NISAの継続適用は、「やむを得ない事由」がある場合のみ認められます。
- ○ 会社命令の海外転勤・赴任(駐在員)
- ○ 転勤に同行する配偶者(帯同妻・夫)
- × 自己都合の海外移住
- × 個人の海外留学
- × 海外企業への転職



つまり、駐在員は守られているけど留学生は対象外なのね。
そう、ここは要注意ポイント。駐在帯同であれば配偶者も継続適用できますが、子どもの個人的な留学は別事由扱いに。
家族みんなで非居住者になっても、制度上は配偶者と子どもで扱いが違うのです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は拠出停止、運用のみ可能


iDeCoは、海外赴任中は新規拠出が停止されます。た
だし、運用指図者として運用は継続できます。つまり、積立はストップしつつ、これまでの資産は引き続き運用される状態。
帰国後、勤務先の人事・運営管理機関に申請すれば拠出を再開できます。私も赴任中はiDeCoの拠出を停止し、帰国後の再開準備中です。
特定口座は出国時に「一般口座」へ移管、含み損益の扱いに注意


特定口座(源泉徴収あり)は、出国時に「一般口座」へ移管されます。
これにより、税金計算が自分でやらなくちゃいけない一般口座扱いに変わります。
帰国後、所定の手続きをすれば特定口座に戻せる証券会社もありますが、出国中に売買した銘柄は特定口座に戻せないケースが多いので注意。私もこの罠にハマって、帰国後の確定申告がカオスになった同僚を知っています。
ジュニアNISAは2024年廃止、海外赴任でも継続不可
子どもの資産運用に使われていたジュニアNISAは、2023年末で新規買付停止、2024年に廃止されました。海外赴任では継続不可なので、出国前に売却または課税口座への払い出しが必要です。
しずろく失敗談:赴任直前にNISAで売り急いで損切りした話



正直にお話しします。私もNISAで失敗した経験があります。
2020年の南米赴任直前、当時はコロナショックの真っ只中。NISAの「継続適用届出書」の存在を知らず、「赴任前に全部売らなきゃ」と焦って投信を売却しました。
結果、コロナショックの底値圏で投げ売り。約400万円分を、平均して20%下落した状態で手放しました。あのまま継続適用していれば、その後の市場回復で200万円以上の機会損失がなかったはず。
今でも、当時の証券口座の取引履歴を見ると胸が痛みます。同じ轍を踏まないでほしい、その一心で今この記事を書いています。



あの時、この記事のような情報があれば。何度も思いました。
海外駐在中も投資を続ける3つの方法





「駐在中も投資を続けたい」という方、安心してください。3つの方法があります。
方法① 出国前に証券会社に相談して特別対応してもらう(一番王道)
一番現実的なのが、既存の証券会社に相談して継続保有手続きをすること。
SBI証券・野村證券・楽天証券などは、所定の届出書を出すことで「保有のみ可能(新規買付は不可)」の状態にしてくれます。



大事なのは、「出国前日までに手続き完了」させること。書類郵送など時間がかかるので、3週間前には動き始めましょう。理想は3ヶ月前から。
方法② 株式の塩漬け(継続保有)手続きを取る
取引はできなくても、「保有だけ」は続けられる証券会社が多いです。これがいわゆる「塩漬け」状態。
- SBI証券:保有可能商品(国内株・外国株・投信・国内債券)は継続保有可
- 楽天証券:保有可能商品は日本株式と個人向け国債のみ
- 野村證券:継続保有可能商品が比較的広い
「売り時を逃したくない」「市場回復を待ちたい」という人にとっては有力な選択肢です。私も野村證券で日本個別株を塩漬けにしています。
方法③ 海外で口座開設できる証券会社を活用する(フィリップ証券・IB証券など)
海外駐在中も新規の取引を続けたい場合、海外証券会社の口座を開設する手があります。
- フィリップ証券:シンガポール大手で、日本居住者にも口座開設可
- Interactive Brokers(IB証券):米国系大手、駐在員に人気
- 赴任先の現地証券会社:現地通貨建てで投資可能



ただし、海外口座は確定申告が複雑になります。「外国税額控除」「為替損益」「CRSの申告」など、税理士相談が必須レベル。
3つの方法の比較表(手間・コスト・税務面)


| 方法 | 手間 | コスト | 税務 | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|
| ① 継続保有 | ★★(書類のみ) | 無料 | シンプル | 長期投資家 |
| ② 塩漬け | ★★ | 無料 | シンプル | 売り時を待ちたい人 |
| ③ 海外口座 | ★★★★(複雑) | 送金手数料あり | 申告必要 | 積極投資家 |
しずろくの結論:駐在期間別おすすめパターン



結論、駐在期間別にこんな選び方がおすすめ。
- 1〜3年駐在:方法①継続保有が最強。帰国後再開がスムーズ
- 3〜5年駐在:①+②の組み合わせ。NISAは継続適用、特定口座は塩漬け
- 5年以上駐在:①+③の組み合わせを検討。海外口座も視野に
私自身は、駐在6年目。方法①でSBI証券のNISAを継続適用、方法②で野村證券の個別株を塩漬け、方法③でIB証券を新規開設の三刀流です。一つに集中せず、リスク分散しながら運用しています。
駐在妻・帯同配偶者の証券口座、どう処理する?





意外と忘れがちなのが「配偶者の証券口座」。妻名義のNISA口座どうすればいいの?
配偶者も「非居住者」になるなら同じ手続きが必要
配偶者も一緒に渡航する場合、家族全員が「非居住者」になります。つまり、配偶者名義の口座も同じ手続きが必要。
嬉しいことに、NISAの「やむを得ない事由」には”駐在に同行する配偶者”も含まれます(みずほ銀行・三菱UFJ銀行などのFAQで明記)。つまり、駐在員と同じく最長5年のNISA継続適用が可能です。
単身赴任の場合、配偶者は日本に残留=口座そのまま継続OK
単身赴任で配偶者が日本に残る場合、配偶者は引き続き「居住者」のまま。口座も特に何もしなくて構いません。



単身赴任なら家計の投資は妻に集約しておく方が楽そうね。
そう、これも一つの戦略。夫の口座は最低限の塩漬け、妻が日本でNISA継続運用というスタイル。
私の駐在仲間にも、単身赴任のときは「妻が運用担当大臣」と冗談を言いつつ、家計を妻に集約している人が多いです。


配偶者名義のNISA口座、出国前に何をすべきか
家族帯同の場合、配偶者のNISA口座も同様の手続きが必要です。
- 配偶者の証券口座をリストアップ(複数あるかも)
- 各社に「家族帯同による出国」を申告し、必要書類を入手
- 「非課税口座継続適用届出書」を提出(NISA継続希望の場合)
- 常任代理人を選任(夫が代理人になることも可能)
しずろく家のケース:妻のNISA口座を3週間で整理した実話





家族の口座は、「夫婦で必ず確認」しましょう。これは強くお願いしたいポイントです。
赴任3週間前、私は自分の口座だけ整理して安心しきっていました。そんな夜、妻からの「あなたの口座、忘れてない?」の一言で背筋が凍りました。
慌てて調べてみると、妻のSBI証券NISA口座と楽天証券があり、合わせて200万円以上の運用残高。私自身が「家族の口座も忘れずに」と人に言える立場じゃなかったんです。
そこからは2人で書類を揃え、何度も電話して、なんとか出国前日に手続き完了。本当にギリギリでした。
海外留学生の証券口座はどうする?親が代理運用は可能?



海外留学のケースは、駐在と扱いが大きく違います。親御さんも知っておくべき重要ポイントです。
1年未満の短期留学なら居住者扱い、口座そのままOK
留学期間が1年未満であれば、「居住者」のまま。特別な手続きなく、証券口座は通常通り使えます。ただし、米国留学の場合は前述の「183日ルール」に注意。連続滞在日数や過去2年の合計日数で判定が変わります。
1年以上の長期留学では非居住者扱い、要手続き
1年以上の長期留学(語学学校・大学・大学院など)は、非居住者扱い。ここで重要なのが、「NISA継続適用」は留学生には認められないこと。前述の通り、NISA継続は「会社命令の海外転勤」のみ対象です。



えっ、留学はNISA諦めなきゃいけないの?
残念ながらそうなんです。NISA口座は出国前に閉鎖し、保有商品は課税口座(一般口座)に払い出しになります。帰国後、新たにNISA口座を開設し直すことは可能です。
親が子どもの口座を代理運用できるか?(原則NG)
「子どもの代わりに親が運用すれば?」と考える方もいますが、原則NGです。理由は2つ。
- 名義人本人以外の取引は金融商品取引法違反の可能性
- 親が子どもの口座に資金を入れると贈与税の対象になる可能性
「常任代理人」として取引代行は可能ですが、これは法的に認められた手続きを経た場合のみ。勝手に親が代理運用するのはNGです。
留学から帰国後、口座を再開する手続きの流れ
留学から帰国した場合、再び日本居住者になります。その際の手続きは以下の通り。
- 住民票を再登録
- 証券会社に「帰国届出書」を提出
- 必要に応じてNISA口座を新規開設
- iDeCoの拠出再開(学生の場合は対象外)
しずろく解説:留学前に親子で確認すべき3つのこと



留学する子どもがいるご家庭、ぜひ親子で確認を。
- 子どもの証券口座の有無と保有商品を一緒に確認
- 留学期間が1年を超えるかを確認(学位課程の場合はほぼ1年以上)
- NISA口座があるなら出国前に売却または課税口座へ移管手続き
出国前にやるべき手続きチェックリスト【3ヶ月前〜直前】





ここまでの内容を踏まえ、「いつまでに何をすればいいか」のチェックリストです。
出国3ヶ月前にやること(5項目)
- 自分・配偶者・子どもの証券口座を全てリストアップ
- 各証券会社に駐在予定を連絡し、最新の必要書類を入手
- NISA継続希望の証券会社を決定(必要なら口座移管検討)
- 常任代理人候補(2親等以内親族または専門家)を選定
- 保有商品のうち、海外で保有不可なものを把握
出国1ヶ月前にやること(4項目)


- 「非課税口座継続適用届出書」など必要書類を提出
- 海外で保有不可の商品を売却
- 投資信託の分配金受取方法を「再投資」→「受取」に変更
- 配当金受取口座を国内銀行口座に設定
出国直前〜後にやること(3項目)


- 全ての証券会社で「出国届」が受理されたことを確認
- 渡航後の連絡先(メール・住所)を各社に登録
- 帰国予定がある場合は「帰国届出書」の提出時期を確認
実体験:私が直面した3つの落とし穴



私が南米赴任前、本当に焦った3つの落とし穴。
- 常任代理人の選任:弟に頼むのに本人の同意書とマイナンバー写しが必要で、急遽帰省する羽目に。新幹線代1万円超えの出費
- 書類郵送の時間:押印書類の郵送に2週間かかり、出国前日にギリギリ間に合った。返送用切手も自分持ちでドキドキ
- 妻の口座を忘れていた:自分の口座だけ整理し、妻のNISA口座を見落としていた。妻が気づかなかったら口座凍結だった
3ヶ月前から動き始めるのが本当に大事。これを読んでいるあなたは、ぜひ余裕を持って準備してくださいね。私のような3週間前の修羅場は、本当に避けてほしい。
帰国後の口座再開、スムーズに進めるための準備



意外と忘れがちな「帰国後の手続き」。ここでミスるとNISAが廃止される可能性も。
帰国後の口座再開手続きの基本フロー
- 日本に住民票を再登録
- 証券会社に「帰国届出書」を提出
- NISAは「帰国届出書」の提出から再び買付可能に
- iDeCoは勤務先・運営管理機関で拠出再開を申請



大事なのは、NISAの「帰国届出書」を5年以内に出すこと。過ぎるとNISA口座が自動廃止されてしまいます。
駐在中の含み益・含み損は帰国後どう扱われるか
駐在中に保有していた商品の損益は、「いつ売却したか」で扱いが変わります。
- 駐在中に売却:非居住者として確定申告が必要(赴任先国でも)
- 帰国後に売却:居住者として通常通り課税
- NISA継続適用商品:5年以内に売却すれば非課税
帰国組仲間3名のリアルな声
- Dさん(5年駐在):「帰国届出書をギリギリ4年11ヶ月で提出。SBI証券だったので幸いNISA口座は守られた」
- Eさん(3年駐在):「帰国直後に証券会社に連絡したら翌日には再開。準備していてよかった」
- Fさん(4年駐在):「マネックス証券だったので口座が解約済み。新規でSBIに移管したけど、NISA枠を1年無駄にした」
よくある質問(FAQ)
- 海外駐在中も日本のNISAは続けられますか?
-
会社命令の海外転勤・駐在であれば、出国前に「非課税口座継続適用届出書」を提出することで、最長5年間NISA口座を非課税で保有できます。ただし、新規買付・積立はできず、保有のみです。自己都合の海外移住・留学では継続不可です。
- 証券会社にバレずに口座を維持し続けることは可能?
-
原則不可能です。マイナンバー紐付け、住所変更通知、CRS(共通報告基準)による国際的な情報交換により、必ず把握されます。発覚すると口座凍結や強制売却のリスクがあります。短期的にバレなくても、いずれは確実に発覚します。
- 駐在期間が1年未満でも手続きは必要?
-
基本的には不要です。ただし、米国渡航の場合は183日ルールがあり、1年未満でも手続きが必要なケースがあります。楽天証券の公式FAQで詳細な計算式を確認しましょう。
- iDeCoは海外赴任中、どうなる?
-
新規拠出は停止されますが、運用指図者として運用は継続できます。帰国後、勤務先・運営管理機関に申請すれば拠出を再開できます。退職金の準備として駐在中も運用しておく価値は十分あります。
- 帰国後すぐに口座を再開できる?
-
住民票を再登録し「帰国届出書」を提出すれば、ほぼ即日で再開可能。NISAは継続適用届出書の提出から5年以内に帰国届を出さないと自動廃止されるので注意。私の知人にも、5年6ヶ月で帰国してNISAが消滅したケースがあります。
- 駐在中に親に運用を任せるのはアリ?
-
原則NG。本人以外の取引は金融商品取引法違反の可能性があります。また、親の資金を子の口座に入れると贈与税の対象に。法的に認められた「常任代理人」制度を使えば代行は可能ですが、勝手な代理運用は避けましょう。
- 海外で日本株・米国株を取引する方法はある?
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フィリップ証券(シンガポール)、Interactive Brokers(米国系)など海外証券会社の口座開設で可能。ただし税務申告が複雑になります。私はIB証券を使っていますが、毎年の確定申告で税理士相談を活用しています。
駐在中に役立つ知識:海外資産運用のメリット・デメリット



駐在中の資産運用、メリット・デメリットを冷静に整理しておきましょう。
海外駐在中に資産運用するメリット3つ
- 為替差益のチャンス:円安/円高の波を利用し、現地通貨と日本円の両方で資産を持てる
- 現地ファンドへのアクセス:日本では買えない地域・銘柄に投資可能
- 収入アップによる投資余力:駐在手当で投資資金が増える
デメリット3つ
- 情報遮断:日本の経済ニュース・証券アナリスト情報にアクセスしづらい
- 税務複雑化:日本と現地の二重課税対応、CRS報告など
- 現地金融知識の必要性:現地の金融制度を理解する手間
駐在員ならではの資産戦略(円高/円安どちらに賭けるか)
駐在員は「現地通貨」と「日本円」の両方で資産を持てる立場。これは日本居住者にはない大きなアドバンテージです。
例えば、駐在中に円安が進めば、日本円資産を売って現地通貨に替えれば利益確定。逆に円高に動けば、現地通貨を日本円に替えるタイミング。為替の波を読みながら通貨配分を調整できるのは駐在員の特権です。
私自身も、2022年の円安局面では現地通貨建ての資産を増やし、その後円高に振れたタイミングで一部利益確定。為替差益だけで年間50万円ほどプラスになったこともあります。
しずろく南米駐在6年目の本音:結局、私は何に投資しているか
正直に公開します。私の南米駐在中ポートフォリオ(2026年1月時点)。
- SBI証券NISA(継続適用):オルカン+S&P500のインデックス、塩漬け継続
- 野村證券(特定→一般口座):日本個別株を塩漬け
- Interactive Brokers:米国ETFで積極運用
- 現地ファンド:少額をアルゼンチンペソ建てで運用(為替リスクヘッジ)
駐在6年で学んだのは、「複数の出口を持つ」こと。1つの口座、1つの通貨に偏らないのが安心です。為替リスク、政治リスク、税制変更リスク。すべてを完全に予測することはできないからこそ、分散しておくのが鉄則。
まとめ:海外駐在が決まったら、証券口座は出国前2ヶ月が勝負



長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、本記事の要点を3行でまとめます。
- 1年以上の海外赴任は「非居住者」扱い、放置すると口座凍結・NISA強制終了のリスク
- 会社命令の駐在員は「非課税口座継続適用届出書」でNISA口座を最長5年継続可能
- SBI証券は2025年5月から非居住者向け対応を拡充、最も駐在員に優しい
あなたが今すぐやるべきこと3ステップ
- 家族全員の証券口座をリストアップ(妻・子どもを忘れずに)
- 利用中の証券会社の非居住者対応ページを確認
- 必要に応じてSBI証券・野村證券への口座移管を検討(出国3ヶ月前まで)
準備した人と放置した人で、駐在後の資産差は数百万円になりえます。
この記事が、これから駐在に向かうあなたの“証券口座の地図”になれば嬉しいです。あなたの駐在生活が、心配なくスタートできることを願っています。
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