海外駐在になったらいくら給与が上がるのか?
今回は、実際私の給与(手取り) を公開してご説明します。
給与ぶっちゃけます。
今回はそんな「駐在員の給与事情」について書きます。
私 (30代、子持ち、中間管理職、メーカー勤務、南米出向)の実際の給与を公開。
この記事で「海外駐在社員の懐事情」が理解できます。
結論:民間企業の海外駐在は魅力的な手当てが多くつきます。
基本的に手取り給与が日本と比べて 1.5 ~2倍に。
一方、海外で働くということは相応の負荷もあります。
(個人的には経済面、キャリア面、人生経験からひっくるめて海外駐在はメリットしかないですけどね!)
よく、「海外赴任で家一軒建つ」なんて話もありますが実際はどうでしょうか。
さて、早速見てみましょう。
当ブログは「世界での活躍、応援します」をコンセプトに、海外で働きたい方向けの記事、独自の企業分析情報を発信しています。私のプロフィールはこちら。
海外駐在で収入は本当に増えるのか?実例
まず
Q: 海外駐在で給与はアップするのでしょうか?
A: はい。アップします。
民間企業の場合、海外出向で受け取る給与は手取りで日本の 1.5~ 2倍となります。
当然、これは目安でです。会社・職種・年齢・家族帯同有り無し・赴任国によって様々です。
この1.5~2倍というのは多いとも感じる場合もあるかもしれませんし、意外と少ないと思う人もいるかもしれません。
ただまず間違いなく言えるのは「手取り給与は日本より確実にアップ」します。
むしろアップしなかったら行きたくないっす
という人もいるかもしれませんね。笑
ちなみに数字で測れる給与インセンティブ以外にも駐在員には多くの福利厚生が付きます。
さて、実際の給与・各種手当を見てみましょう。
業種・年齢別の海外駐在員年収データ
年齢・業界別の海外出向時の給与はざっとこんな感じです。(月次給与+賞与込み)
(私はもっともらってる! こんなもらっていない!という人コメント欄からメッセージくださいね笑)
例1: 30歳大手メーカー- 年収1,200万 手取り850万円
例2: 30歳大手商社勤務- 年収1,500万 手取り1,050万円
例3: 30歳専門商社・中小メーカー 年収1,000万 手取り750万円
例3: 40歳大手メーカー年収1,500万 手取り1,050万円
例4: 40歳大手商社 年収1,800万円 手取り1,250万円
*目安です。業界・年齢・出向先によっても大きく変わります。
「やっぱり駐在員の給与は多い!」「いや、意外と少ない!」いろいろ意見があるかもしれません。
ただ、この手取り額面だけでは見えない点が多くあります。
例えば 上の「例1: 30歳大手メーカー- 年収1,200万」の場合、
現地・日本円合わせた海外駐在時の手取りは850万円と書いています。
それは海外駐在ならではの追加手当てが多くあるからです。
実際日本と海外でどれだけ手取りの違いがあるか見てみましょう。
メーカー勤務30代の例です。日本の家賃・教育費等は例としています。
まずは
日本の収入と支出/年。
そして
海外出向になった場合。
気が付きましたか?
そうです、海外駐在では給与が増えるだけでなく、支出が減るのです。
それは、
- 家賃が全額(一定額まで)会社負担となる
- 光熱費も会社負担
- 子女の教育費が会社負担となる
- 自動車が会社から貸与、維持費も会社負担 (会社による)
上のような手当・補助が出るためです。
上記の30代、既婚、子供一人の会社員の場合は 、住居費と教育費を除いた可処分所得が
日本 384万円 VS 海外 840万円
となります。もちろんここから食費や雑費などの支出は必要になります。
ところで、
うちは夫婦共働きだから、日本の可処分所得もっとあるよ。
という人も多いと思います。
確かに現代の30代夫婦であれば、共働きが大半と思います。その場合はもちろん日本の額面が増えますよね。
私自身、家族構成や住んでいる地域が異なる人の給与を比較してもあまり意味がないです。
ただ、ここで言いたいのは、海外駐在では「世帯主一人 + 専業主婦(主夫)一人」の
エンジン一つで家族が十分生活できる給与はもらえるという点です。
なぜここまでもらえるのでしょうか???
それは異なる国・言語・習慣の中で負荷がかかった環境で
「それだけ働く必要があるから」です。
具体的に海外駐在でどのような手当てがつくのか見てみましょう。
【豊富】海外駐在で受けられる魅力的な手当と福利厚生
海外出向となった場合、享受できる各種手当を見てみましょう。
「海外赴任手当」(月7万~15万円)
異国の地での生活や習慣の違いよるストレスへの補填として支給
「ハードシップ手当」 (月3万~10万円)
いわゆる「危険地手当」です。赴任地の治安、気候、食生活など環境の違いから受ける精神的・身体的負 担を補填するために支給されるこれは国によります。
実際に出向先が危険な地域とは限りませんが、出向元企業が契約するコンサル会社等の国ごとのハードシップ係数によって決まります。
「住宅手当(現地)」 (月25万円 ~80万円)
ほとんどの企業では、現地の住宅は100% 会社負担となります。
アジアやアフリカなどではプール付きの豪邸に住んでいる駐在員も多いです。
安全・治安の観点からも日本と比較すると地域・間取りいずれも満足できる家探しができるでしょう。
(月80万円の住宅とかは部長以上のマネジメントクラス)
「子女教育手当」(都度)
子女帯同の場合、基本的に現地の幼稚園・小学校・高校の教育費用はすべて会社負担です。
日本で受けられる水準以上を海外でも同様に受け、帰国後もスムーズに日本の教育システムに慣れる必要があります。現地校の教育費 + 日本語の補修費用なども会社負担となる場合も多い。
「住宅手当(日本の持ち家分)」(貸出しない場合、月 5~15 万円)
企業にるようです。日本の持ち家・マンション保有している場合、海外赴任中の住居を貸し出す代わりに、会社が一定金額を負担します。もちろん個人で他者に賃貸物件として貸す場合はこの手当はありません。
「所得税と住民税が会社負担」
海外出向となると基本的に給与は現地通貨での支払いです。
現地に生活を構えるので当然各国の税制に従って納税します。
国ごとに税制は違うので、出向者間で不公平が出ないよう、原則として手取りの給料は一定として、仮の税金を計算し、額面給与を調整するのが一般的です(みなし税といいます)。ちなみに日本の住民税は出国時期により翌年6月まで納付が必要です。
その他にも、帯同家族を残して単身赴任する場合の「単身赴任手当(家族手当)」、
現地での職務範囲が広がるため、「現地役職手当」が企業によって追加でつきます。
豊富な手当て。間違いなく、給与アップします。
実例公開:私、30代メーカー駐在員の詳細な収支内訳
いろんな手当はよくわかったけど、実際いくらもらってるの?
さっそく給与公開します。
まず自分のステータスです。
- 34歳、妻子持ち
- 東証プライム(旧東証一部)上場・企業メーカーサラリーマン
- 某中南米諸国への出向
- 営業職。現地では20人のチームの課長
現地では社員20人をマネジメントしています。
日本では係長。海外では一つクラスが上がって、いわゆる中間管理職ですかね。
メーカー・商社・金融企業いずれも海外に来ると役割が1つ・2つ下駄を履くといった感じです。
現地の収入・支出に関してはわかりやすいように2022時点の外貨を円レートで表示しています。
(これでどこの国にいるか絞られそうですが・・)
早速公開。月次給与。
こんな感じです。
項目 | 額 | コメント |
---|---|---|
日本円収入(手取り) | 820,000 円 | |
現地給与支給 | 160,000円 (円換算) | |
家賃 | 会社負担 | 約28万円/月 |
電気代 | 会社負担 | 約0.5万円/月 |
ガス代 | 会社負担 | 約0.5万円/月 |
水道代 | 会社負担 | 約0.5万円/月 |
子供の教育費 | 会社負担 | 約5万円/月 |
自動車維持費(車体・ガソリン) | 会社負担 | 赴任中貸与 |
携帯代金(プライベート用) | -2,400円(円換算) | 妻と二人分。格安SIM |
食費 | -80,000円(円換算) | 大体月このくらい |
医療費 | 会社負担 | |
語学学校代 (妻と二人分) | 会社負担 | 約14万円/月 |
インターネット代 | –6,500円(円換算) | ネット代金はなぜか自己負担 |
*賞与 (年二回)は含んでいません。
賞与は会社と自分の業績によりますが、手取りで年+ 300万くらいでしょうか。
ほんの一例ですが、こんな感じです。
ここから自分の場合は投資・個人年金積立がさらに引かれます。
業務負荷もありますが、楽しんでやっています。
給与は日本で働いていた時から跳ね上がりました。
これはあくまでもメーカーからの海外出向の給与の一例。
大手総合商社になるとさらにこの1.5~2倍はもらっている企業も少なくありません。
三菱商事・三井物産の海外駐在についてもまとめているのでどうぞ!
まとめ
海外駐在では収入が増えて支出が減るので、「間違いなく給与アップ」します。
ただ駐在における本当の魅力は金銭メリットよりも、
キャリアアップ・語学力の強化・経験、知識の幅の向上だと思っています。
語学力は出発前にある程度鍛えておくのがおすすめです。私はスタディサプリを使い倒しました。
金銭的メリットだけでなく、人的成長に大きく寄与する海外駐在。
是非切符は手にしたいですね。
このあたりの「海外駐在で得られること」の詳細は下記記事をご覧ください。
具体的な「駐在の切符を手にする方法」もステップに分けて記事に書いています。
よろしければご覧ください。
よい海外駐在ライフを!